鷲ノ木5遺跡の環状列石・史跡指定へ

2005年11月18日文化審議会は、200件の遺跡などを史跡や名勝として指定するよう
答申することを決めましたが、この環状列石を史跡とすることが含まれています。

この遺跡の保存が決まった時、地元は維持管理の費用について懸念する向きもありましたが、
新聞報道によるとこの指定により、土地買収費の80%、発掘費と整備事業費の50%などの
国からの補助が受けられることになるそうで、
保存に向けての具体的計画が進められることになります。


鷲の木5遺跡の環状列石の現状保存が決まりました。

2005年2月16日、北海道と日本道路公団はこの環状列石を、地下にトンネルを掘ることによって現状保存とすることに合意したと公表されました。
保存区域は国の史跡として指定する最小限の広さとし、トンネルの工事区域を85メートルとすることになったそうです。

北海道森町・鷲の木5遺跡の環状列石

2004年5月8日(土)午前10時30分、森町が募集した見学会に参加する機会に恵まれ、約100名の方々とともに、町の用意した2台のバスに分乗し、森町役場前から現地に向かいました。

国道5号線を6〜7分ばかり北上し、左に折れ、工事用の山道に揺られ、15分ほどで発掘現場に到着。 この日は初夏のようなよい天気、森町では桜が満開、盛大に桜祭りも開かれていましたが、発掘現場では大勢の作業員の方々が忙しく立ち働いていました。

現地は、北海道中央縦貫道を通すために尾根筋に当たる場所を掘削し、切り通しを作る予定地に当たります。 尾根は掘削し沢は橋を架けるという地形になっています。
幅が150メートルくらいの比較的平坦な尾根の、表土を1〜2メートル剥がしたところで列石が発見されたそうです。 表土は南に20キロメートルほど離れた、北海道駒ヶ岳が、1640年に噴火した時の火山灰が堆積したもので、そのすぐ下に埋もれていたそうです。

森町教育委員会から頂いたパンフレットから、この環状列石について抜き書きしておきます。

列石の構築年代
   約4000年前−縄文時代後期前葉−

列石の構造
   外帯、内帯、中央帯の3重に石が丸く並べられる。

列石の規模
   外  帯  長軸約37メートル   短軸約34メートル
   内  帯  長軸約35.5メートル 短軸約33メートル
   中央帯  長軸約4メートル    短軸約2.5メートル

石材
   近くの桂川の川原石

石の数
   約530個

その他
   石の下に墓はない。
   列石を作る際あたりの地面を削って平らにする工事をしている。
   儀式の跡と考えられる砂利のかたまりが5ヶ所あり。
   竪穴住居の跡などは見つかっていない。
   埋設土器が1ヶ所見つかる。


竪穴墓域

 列石の南側50メートルのところに大小10個の土壙墓が見つかり、出土土器などから列石と同じ時期に作られたと考えられる。


現地で撮影した写真をご覧下さい。 クリックで拡大 一枚500〜700KBです。
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この環状列石の価値は多言を要せず、現状保存に向けて前向きの検討がなされましたが、本来高速道路の建設の伴う調査保存が前提のため、建設工事の変更に伴う膨大な経費の増が議論され、どのような形で保存できるのか注目され史跡指定に必要な面積を残すよう地下に「トンネルを掘ることで決着を見ました。

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