垣ノ島B遺跡

漆(うるし)製品が埋まっていた九千年前の縄文遺跡

発掘された漆製品約九千年前のものと見られています。



 大船C遺跡から南に2キロメートルほど隔たったところに垣ノ島B遺跡があります。この遺跡も台地にバイパスを通すために事前調査をして見つかった縄文早期の大規模集落の跡で、実年代は約6500年前</font>と推定されていましたが、最新の放射性炭素14による測定の結果約9000年前の遺物も確認されました。

urusiato.jpg 発掘された土壙墓(どこうぼ)の複製。

(大船遺跡埋蔵文化財展示館)

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 (旧)南茅部町教育委員会では、1999年からこの遺跡の調査をはじめましたが、現在まで住居址や土壙墓(どこうぼ)が発見されていました。 2000年8月11日に土壙墓のひとつから漆製品が多量に見出され、被葬者が身に付けていたと思われる品々が確認されたのです。

 土壙墓は縦が1.4メートル、横が1.2メートル、深さが0.6メートルで遺体は屈葬されていたようです。

 出土品の漆製品は、くし状の朱の漆塗り髪飾り、漆が染みこんでいる糸で編んだような衣服に付いていた装飾品一対、腕輪数点、細かい穴があいた直径約1センチの数珠状に連なった朱色の玉など、いずれも漆が塗られていたのです。

 本年になって6月14日、これらの漆塗りの副葬品が、縄文時代早期前半の約9000年前のものであると発表しました。放射性炭素測定法による結果で、現在のところ世界でもっとも古いと見られ、漆文化の発生年代や発祥地、交易ルートなどを巡って新たな資料をもたらすことになりました。

 発掘当初は土器など年代を特定できるものは出土しなかったのですが、地層から判断して縄文早期後半の6500年前の墓と推定していました。教育委員会は年代確定のため、脳漿(のうしょう)が溶け出した地点の腐食した土と、のかけらが含まれる土をアメリカの分析会社に送り、放射性炭素14を利用した年代測定を試みたところ、約9000年前のものとの結果が出たのです。

 国内の漆製品では、新潟・大武遺跡から出土した縄文時代前期前半(6600年前)の装飾品が最古とされています。 また中国淅江省の河姆渡(かぼと)遺跡で出土した7000〜8000年前の木製装飾品が世界では最古とされています。今回の出土品は、漆文化の発生期限を1000年以上遡らせることになります。


 縄文早期の遺跡としては非常に規模が大きい垣ノ島B遺跡は、1年余りの調査で約11000点の遺物が出土しており、当時の縄文人の日常生活を推測するための資料を、これからも多数提供してくれる期待がもてそうです。


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