垣ノ島A遺跡から完全な形の注口土器が出土
全面朱色の漆塗り



chuukou1.jpg  (旧)南茅部町教育委員会の01年10月19日の発表によると、垣ノ島A遺跡で縄文時代後期末(約3200年前)のものとみられる朱色の漆塗り注口(ちゅうこう)土器が住居址の床面から完全な状態で出土したとのことです。

 土器自体の形はほぼ球形で上部が僅かに盛り上がり注口は一ヶ所。高さ11.5センチ、胴体部は直径10.4センチ。表面全体に文様が有り、朱漆が塗られ鮮やかな朱色が保存されています。漆塗りの注口土器の出土は、北海道では当地から北に60キロほど行った八雲町の野田生遺跡で出土したのに続き二点目になります。どちらも本州産と思われる「水銀朱」を使う点で共通しており、本州で作られて持ち込まれた可能性が高いとのことで、漆の成分を分析すれば土器自体の産地が特定できるのではと、期待されています。

 表面の曲線と直線が組み合わされた文様は、東北地方南部を中心に広がった様式の影響が認められるようで、3000年以上昔の津軽海峡を挟んだ物資の交流が盛んであった様子がしのばれるようです。

 また、使用目的について教育委員会では「祭祀用の酒をつぐのに使ったもの」と考えているようですが、漆を塗れば水漏れがなくなり、使用目的にかないますが、当時酒があったとしてもどぶろくのような酒だったと思われるので、実用に使えたかどうか難しい判断になりそうです。

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